AIがマンガを描く日はきっと来ない

2018-03-17 16:20:29  |   軽めに

昨今AIが世界を変えると話題にならない日がない。
何かとてつもなく恐ろしい未来が間近に迫っているのではないか、的な不安を覚えている諸君も多いことと思う。

SFみたいにロボットが人間を支配する日が来るかはともかくとしても、 AIを作れるのは大企業だけなわけだから、作る側の大金持ちだけが得をして、庶民はいなくてもいい存在になっていくのではないか。

みたいな心配をするじゃないか。 単純労働はじきにAIの仕事になるから、この先生き残るためには機械が真似できない知的能力を身に付けるしかない、 とはよく言われるところだ。

しかしこないだ読んだとある記事によればだよ、むしろ知的な労働のほうがAIの得意分野なんだってさ。 肉体を使う単純作業は物理的な面でロボットには難しいんだそうだ。

まぁ作業の中身にもよるんだろうけど、清掃とか介護なんて仕事をASIMO君みたいなロボットが行っている姿は、 たしかにあまりに未来的すぎる感じがする。

むしろ医者の診断とか弁護士なんかの知的労働のほうが、早い時期にAIに取って代わられるのではないか、と氏は力説する。 法律相談をどうやってロボットが行うのかイメージがつかめないけど、とにかくAIはすごいんだそうだ。

じゃあ思った。そのうちマンガなんかもAIが描く日が来るんだろうか。
ぼくは昔マンガ家を目指していたもんだからそこに興味がある。

既にAIが絵を描くのはいい線までいってるらしい。
そのうえあと30年くらいの間にAIの性能が劇的に上がる瞬間が来るのだそうだから、マンガぐらい余裕に守備範囲に収まってしまうだろうと考える人が多いのではないだろうか。

それでもぼくは思うのだ。
AIにマンガは描けないと。

というのも、面白い面白くないという人間の感情は非常に繊細で、合気道の技みたいに1mmポイントがずれただけで効かなくなってしまう。 人物の眉毛の角度がほんのわずかずれただけで、もう面白くなくなってしまうかもしれないのだ。

そういう世界をAIが支配するのはさすがに無理なんじゃないか、というのが1つ。

もう1つはだ、たしかAIって精度を上げるために膨大な機械学習が必要なんでしょ? じゃ面白いマンガを描くためには、膨大な数の面白いマンガをまずデータとして与えないといけないわけだ。

でも名作マンガって、そんなにたくさんないよね?
じゃデータぜんぜん足りないんじゃないの?

例えば鳥山明みたいな作品をロボットに描かせたいから、データをインプットしましょう。

となってもさ、せいぜい1万ページくらいしかないと思うよ、鳥山さんの作品全てかき集めても。 機械学習ってそんなんで足りるの?100億ページくらいは必要なんじゃないの?

囲碁の世界でチャンピオンになったアルファ碁というソフトは、 AI同士の対戦結果をデータとして学習していた、すなわち学習データそのものを自分で作っていた、というけれど、

囲碁は勝ち負けのルールが決まってるんだから、そんなこともできましょうよ。 でもマンガの面白い面白くないは人間が判断するしかないわけで、じゃAIの作った100億ページぐらいのマンガを人間が読んで、 この部分は面白いですねこの部分はダメですねここは鳥山明っぽいですね・・・

とかそんな風に学習させていく手間をかけられますかね?
難しいんじゃない?

加えてだ、面白さの基準ってどんどん変わっていくじゃないか。
30年前の名作マンガは今読めばあんまり面白くないかもしれない。最初読んだ時は新鮮で面白かったギャグも、2回目3回目はぜんぜん面白くないかもしれない。

囲碁や自動車運転の世界と違って、マンガはルールそのものが変化していく。

そういうもろもろの困難を乗り越えて、やっとのこと過去の名作っぽい作品を作れたとしてもだよ、 明らさまに作風をパクっているその作品は読者から軽蔑されるだけかもしれない。 読者は名作とそっくり同じマンガなんて求めてやしない。

ということでぼくは30年後も100年後もAIはマンガを描いていないと思う。 そう信じたい。

それでもできるというならやってみせろよ、AI来いよおらカマーン (屮゜Д゜)屮

と私は言いたいのである。

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COMMENT :  1

■  名無しさん

(2018年03月31日 14時31分)

初コメです。
今回の記事にはハッとさせられました。確かにAIが人の心を理解するのはまだまだ無理でしょうね。漫画は描けないだろうという着眼点が凄いです。
いつも楽しみに、気長に記事更新待ってます。

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